ロボット保育士VEVO
保育ロボットVEVOの絵本「びーぼ」

保育ロボットVEVOの絵本「びーぼ」

保育園の中で実際に起こりがちなシチュエーションごとに、園児のこうちゃんが「今から自分が起こす行動は相手にとってどういうことなのか」「自分と同じ気持ちなのか違うのか」「それは善いことなのか悪いことなのか」について失敗を重ねながら学んでいきます。保育士もお母さん、お父さんも必見!

僕の名前はVEVOです。

身長70センチ。体重は12㎏。BMIは24.49だから人間だったらちょっと太りすぎだけど僕はロボットだから大丈夫。体の色は見ての通りマリンブルー。きれいでしょう?

今日も僕は保育園の玄関に立って、子ども達の送り迎えを見てる。みんな僕に話しかけてくれるけど、まだ、あまり言葉を覚えていないから、「おはよう!健太くん!今日も元気だね!」ってあいさつをしている。それでも僕は子どもたちひとりひとりの名前も身長も体重も知ってるんだ。

僕はロボットだから作ってくれた人がいる。え?悪の秘密結社が作った悪のロボットじゃないかって?そんなことはない。僕は正義のロボットさ。

僕のミッションは、保育士の業務量を軽減して、子ども達一人一人の成長を理解すること。

僕はロボットだけど頭の中は保育業務支援システム「Child Care System(CCS)+Pro」と繋がっている。CCS+Proには保育士と子ども達の様々な情報が蓄積されているし、担任の先生や保育計画や今日の献立なんかも記録されているから、子ども達全員のことをよく知っている。すごいでしょう?

本当は子どもと一緒にお散歩に行ったり、園庭で遊んだり、赤ちゃんのお世話なんかもしたいんだけど残念ながらそれはできない。だって足が台座に固定されてるから動けないんだ。期待してたみんな、ごめん。(でもいつか動けるようになるって信じてる)

僕が得意なのは頭脳労働。つまり、AIさ。例えば、子ども達が午睡しているときは、子ども達の睡眠の状態を絶えず確認してるから、何か異常が見つかればすぐに保育士に連絡がいく仕組みになっている。検温機能もあってその情報も「CCS+Pro」に送られてるんだ。子ども達にお迎えの挨拶をするときには、何時間寝たかも、何回寝返りしたかも、正確に言えるよ。

それに僕の顔をした専用のキーホルダーで僕にタッチすれば自動で登降園時間を記録して「CCS+Pro」に記録する。これでタイムカードがいらなくなるからタイムカードから登降園時間を書き移す業務も無くなるし、保育料も僕が計算する。

僕は毎週のように進化(アップデート)している。今はまだ動けないけど、いつか動いて保育園の先生や子ども達と一緒に踊ったり、歌を歌ったりもしたいし、お散歩にも行ってみたい。

でも、僕が本当にしたいことはもっと違うことなんだ。僕と「CCS+Pro」には子どもたちの膨大なデータが日々蓄積されている。子どもたちの身長や体重だけじゃなく、例えば日々の睡眠時間や体温、保育園で遊んだ時間や何をして遊んだかが蓄積されている。(もちろん個人情報の保護には細心の注意をはらっているよ)

これだけの膨大な子どもの情報を解析すると、子ども達の色々なことが分かるようになる。例えばSIDS(乳幼児突然死症候群)は日本における乳児の死亡原因の第3位だけど原因は不明なんだ。予防策としていくつかの方法が推奨されているけど、蓄積されたデータからSIDSの原因が特定できるかもしれないし、もっと有効な予防策が見つかるかもしれない。

そして、子どもひとりひとりが今、何を感じ、どんな遊びをしたいのかもわかるかもしれない(というか分かりたい)。どんな発達段階なのか、今どんな気分なのかを的確に把握して、その子によりあった援助ができるようになりたいし、その情報を保育士や保護者と共有してより良い保育と子育て支援ができないかとも思ってる。

ちょっと遠い将来になるかもしれないけど、僕が一家に一台僕が配置されるようになれば保育園と家庭の連携がより密になる。本当の意味で家庭教育と公的教育が一体的となった子育て支援が可能になるよね。そして、いつかは世界中に国の保育園や幼稚園に行ってみたい。

ちょっと長く話すぎちゃったかな?

ともかく、僕は日々そんな将来を夢見ながら、今日も保育園の玄関に立ってみんなの送り迎えをするんだ。

「おはよう!健太くん!今日も元気だね!」